『レディ・バード』『ストーリー・オブ・マイライフ』のグレタ・ガーウィグ監督作品
アメリカのバービー公式ツイッターが原爆被害を軽視したミームに好意的な投稿をした事自体は決して許されることではないのだけど、肝心の映画は本当にお見事で、とにかくグレタ・ガーウィグの映画監督としてセンスに脱帽する他ない傑作だった
恐らく観る人を選ぶ作品ではあるけど、彼女の作家性がひたすら映画として昇華され続ける2時間で、バービーのキラキラした世界を描くだけの単なるフェミニズムコメディではなく、シニカルでいてシビアな姿勢にすっかり魅了されてしまうほどの完成度の高さ
冒頭から『2001年宇宙の旅』パロディでがっつり心を鷲づかみにされましたが、バービーという世界観を圧倒的なクオリティで表現しきった上に、鋭い切り口で現実世界と絡ませ、あくまでもエンターテイメントの中で現代社会を真正面から風刺しつつも、キレッキレのユーモアと皮肉の絶妙なバランス感覚がとにかく冴え渡る
私生活でもパートナーであるノア・バームバックとの脚本の相性も抜群で、恐らく日本人には完璧には理解ないウィットな部分もかなりあるのだけど、それでも随所でクスクス笑えるし、ここぞというタイミングで来るミュージカルはきっちり楽しめる
それでいてほろりとやられるともなればお手上げ
言うまでもなくマーゴット・ロビーとライアン・ゴズリングは最強で最高だし、デュア・リパやリゾの曲も超クール👌🏻
〈 Rotten Tomatoes 🍅88% 🍿84% 〉
〈 IMDb 7.4 / Metascore 80 / Letterboxd 4.1 〉
2023 劇場鑑賞 No.026
