しろくま

日本女侠伝 侠客芸者のしろくまのレビュー・感想・評価

日本女侠伝 侠客芸者(1969年製作の映画)
3.8
《たかが芸者の分際で》
〝帝国陸軍を侮辱したな。謝罪ではすまんぞ!〟〝たかが芸者にも人としての意地もあれば誇りもございます。それを踏みにじってまで御成敗すると仰せなら喜んでお受けいたしましょう!〟

陸軍のオッサン相手に、威勢のいい啖呵を切っているのはお座敷芸者の藤純子姐さん。さらに〝さあ、突くなと切るなとご勝手にしておくんなさいまし〟って言っちゃたけど大丈夫?本当に切られたらどうするのな状況だけど、悪いのは陸軍さんの方。お座敷遊びではお触りは当然NGなのに、あんなことやこんなことをしようとした陸軍大臣の若山富三郎さん。遊郭とは違うんだから、もっとスマートに遊ばなきゃね。

そんなことがあって新橋に居づらくなった純子姐さんは、炭鉱で好景気のいい九州・博多でリスタート。そこで知り合うのが高倉健さんって訳ね。

本作は、藤純子さん主演の東映・日本女侠伝シリーズの第一弾。藤さんと言えば同じく東映の緋牡丹博徒シリーズが有名だけど、こちらも全部で5作品の人気シリーズ。本作公開の1969年は、両シリーズを含めて10作品に出演されていて、大忙しの超売れっ子女優さん。

炭鉱業を営む健さんと純子姐さんとの大人のラブストーリーがいい感じだったのに、卑劣な手段で九州の炭鉱を支配しようとする私利私欲にまみれた金子信夫さんが絡んできて、最後は王道の任侠ものに。子どもの頃から日本舞踊をされていただけあって純子姐さんのお座敷での踊りは素敵だし、殴り込みをかける健さんもひたすらカッコいいお勧めの映画。

視聴メモ:2024.01.26/010/東映シアターオンライン
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