柏エシディシ

俺らのマブダチ リッキー・スタニッキーの柏エシディシのレビュー・感想・評価

3.0
いたずらや失敗をなすりつける都合の良い"架空のマブダチ"リッキー・スタニッキーをでっち上げた悪友トリオ。
いい歳しても折りを見てリッキーの存在を利用していたのだが、遂にリッキーの実在を証明しなければなくなり、場末の売れない俳優ロッドをリッキーに仕立てあげる羽目になるのだが……
ピーター・ファレリーの新作コメディ。"らしくない"ヒューマンドラマ「グリーンブック」からの振り戻しで下品で不謹慎なコメディに戻ってきた、と思ったら2作目なのか。そちらもザック・エフロン主演。観よっと。
さすがに往年のキレはないし、ちょっとお話のセットアップまでまどろっこしいし、さすがにご都合展開に過ぎる。
しかしジョン・シナとファレリーコメディの相性は思っている以上に良い。
過剰なメソッド演技がハマってリッキーになりきってしまう様子が本当に可笑しい。
下品なのにナイスガイというありそうで無かったスタニッキーの造形が見事。
ロッドの時のウザさを観ている方にも印象つげるから、余計にその後とのギャップが映える。
言っている事はあんまり変わらないのに、SNSや背景によって印象が変わってしまうのが良くわかるし、人はどれだけ他人をそういった属性で判断してしまい、また自分自身もそういったものに縛られてしまうのか。相変わらず阿保な振りして、鋭い。
何かこんな感じのアメリカンコメディ久しぶりだった。ポリティカルコレクトネスが声高に叫ばれる中、ピーター・ファレリーの素養はある意味今、更に貴重で面白いものになってきているかも。
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