スワヒリ亭こゆう

π〈パイ〉 デジタルリマスターのスワヒリ亭こゆうのレビュー・感想・評価

4.0
日本で公開されたのが99年。当時、高校生だった僕は本作に新しさ、テクノ、難解なストーリー、高速のカット割りにブチ上がった記憶がありました。
当時、カルト的な人気を得た映画だったんですよね。
久しぶりに見返してみましたが高校生の時ならめちゃくちゃテンション上がりますね!マッシブ・アタックじゃん!と思いましたもんね。

ダーレン・アロノフスキー監督のセンスは現在では周知の事実ですが、デビュー作から凄い才能です。
低予算で無名の俳優が主人公。それでもスマッシュヒットした。
そんな映画がリマスター版で公開。しかもA24が配給ですか…久しぶりに観れて良かったです。

タイトルの『π』(パイ)は皆さんご存知、円周率ですね。本作では数学が肝になっています。
というのも主人公マックスは全ての事は数字で表せる事が出来る。それを証明する為に研究している数学者です。
で、円周率も出てきますが、どちらかといえばマックスはフィボナッチ数列などに興味を持ちストーリーもそっちの方が関連性があるんです。
じゃあ何故『π』なのか?恐らくですけど解き明かす事が出来ない難問と云えば…でπだったんでしょう。
数学の知識が無くても充分に楽しめますよ。マックスが216桁の数字に巡り合い、それをキッカケにストーリーが進む話です。ストーリーの全てを理解するという面白さではなくて、人間が数字に取り憑かれてしまう様をスタイリッシュ且つスピーディーに描いているのを観る映画だと思います。
理解出来ない=『π』なんだと思います。

当時は最先端のテクノサウンドも現在では懐メロになってます。2024年に初めて観る人が面白いと感じるかは分かりませんが、本作で語られている全ての事は数字で表せられるというのは今でも惹かれると思いますよ。
数字(数学)の魔力みたいなものを信じてる人なら面白いと思います。
久しぶりに観れてとても良かったです!