ドント

ほんとにあった!呪いのビデオ105のドントのレビュー・感想・評価

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 2024年。小さくまとまっていた。入浴練習用の赤子人形をお湯につけてみたら黒い汁がズルズル出てきて、あとでこの赤子人形はセコハンだったことが視聴者に知らされる「沐浴」からスタート。そういう品物はね、新品を買いなさい。そう思いました。現象2つはそんなに怖くないけれど、人形についてきた手紙がかなり禍々しくてよかったです。中古を買うからこういうことになるんよ。
「回転」「残影」のふたつはロケーションのいい感じさに比して地味にすぎて、前者で狭い場所を女がスッ……とフツーに横切る様子はすげー怖いけど、その後のゴロン、がちと弱い。「残影」はうん、うん……? みたいなよくない地味さ。両者に共通するのは地味な映像なのにあとの説明が過多でより白けちゃうところだろうか。
 他方、よかったのが「ケモノ」と「車中泊」のふたつ。「ケモノ」は起きていることは突飛、要は狐狸妖怪を捉えているのだが、なんだか心の奥底にある旧いモノに触るような現象で、懐かしさと新しさをおぼえた。「車中泊」も映るモノはたいしたことないけどその前段、「深夜の森の中から子供の『あ一』とか『わー』という叫び声がする」という場面、ここが怖い。猛烈に怖い。「ケモノ」以上に理屈ではない、体の髄を掴むような恐怖がある。ただ、そこがピークなのが惜しい……
 長編「骸の知らせ」はウェブ会議上での怪異から、存外にしっとりした展開へと入り、ちょっと不気味に終わる。観た全員が「それは強引じゃないかな??」と思うであろう語呂合わせはともかく、会議の発言の自動文字起こしに謎の発言(?)が混ざったり、割り込んできたアカウントの画面を明るくしたら写真になるなど、実にロマンがあってよかった。この巻で終わっているのも好ましい。
 これでもうちょい怖ければ言うことナシだったんだけど、まぁ……。あと太りすぎて仕事にドクターストップが出ていた男鹿さんが復帰。健康になったのかなと思いきや見た目は変わっておらず職場でチョコとか食べて「お医者さんからは言われてるんですけど、ま、少しなんで!」とか述べており、彼のことがいちばん不安になりました。
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