これは実話である。
と、もし言われずに観たとしたらどうだろうか。そんなわけあるかい!とか、出来過ぎちゃうん?!とか、ご都合主義すぎるストーリーに戸惑っただろうか。
こんな面白い話が実話なの?という場合もあれば、これ実話だからこそ面白い!という場合もある。今回に関しては紛れもなく後者で、脚色されているとは言え、歴史的な事実なことに間違いはなく、ジュリアロバーツの熱演はそれを支えて余りある。
ところどころサスペンス風味を振りかけながら愚直なまでにまっすぐな視線で観客に問いかける演出を手がけたゾダーバーグの手腕も素晴らしい。優れたフィルムメーカーである彼のザラついた画面構成が、ドキュメンタリーであるかのように観るものを引き込んでいく。
唯一残念なのは、エリンの毒舌の内容を理解するには字幕を頼るしかない自分の英語力の無さ。どんなニュアンスで皮肉やジョークを飛ばしてるのかがわからないと、オスカーを手にした理由に及ばないのか悲しい。