クルードス

CURE キュアのクルードスのレビュー・感想・評価

CURE キュア(1997年製作の映画)
4.6
数年前から観ようと思いつつそのままにしていたが、ようやく鑑賞。
いやー、さっさと観ておけば良かった。
これは傑作。

ずーっと続く低体温で静かな雰囲気。
そして音やカット割の違和感からくる不気味さ。そんな映画全体に漂う雰囲気が大好き。

印象的な場面はやはり交番のシーン。
日常での突然の凶行は、画としてのインパクトもあったが、やはり人としての根源的な恐怖感を刺激される。

説明セリフもほぼ無し、ラストも匂わせて終わる。あのラストは言う事無しのパーフェクト。

「あいつが気に入らない」
「あいつさえいなければいいのに」

日常では取り繕っていても、誰しもが絶対に1度は抱えた事がある感情。
心の奥底にある願望や破壊衝動を解放すると人はどうなるのか。
ラスト、レストランで晴れ晴れした表情で美味しそうに食事をする主人公に寒気がしたが、それは本当に他人事なのだろうか。

「もし自分が催眠にかかったら、一体誰にXの傷を付けるのだろう」
そこはあまり深く考えないようにした。
恐ろし過ぎる。

役者陣は役所広司は言うまでもなく素晴らしかったが、萩原聖人が凄すぎた。