クルードス

ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実のクルードスのレビュー・感想・評価

3.8
戦争映画というより仕事についての映画。

国防総省エリートのハフマンが30年近く前に戦死したピッツェンバーガーの名誉勲章授与の嘆願をされて、最初はやる気なく調査を始めるが様々な事実を知るうちに…という物語。
国家の陰謀等のサスペンス的な展開は無く、手堅い物語ではあるがいい映画だった。

調査していくうちに戦死したピッツェンバーガーがいかに献身的で素晴らしい人物か分かっていき、そして助けてもらった戦友や残されたご両親は名誉勲章がもらえれば救われるという事を感じて、野心家のハフマンは己の出世と引き換えに名誉勲章授与を実現するために奔走する。

自分のためではなく利他的な行動をしたハフマンは、同じく利他的であるがゆえに戦死してしまったピッツェンバーガーと重なり、最後には周りからの感謝や家族からの尊敬を得られて、出世よりも大切なものを得る。

この映画程の大きな話ではないが、仕事をしていても面倒な局面から逃げたり、納得いかないまま仕事をしてしまうとモヤモヤした感情が残ってしまうが、勇気を持って真正面から受け止めると後々気持ちがスッキリする事がある。そんな事を思い出した。

志を高く持った人が最後には報われる気持ちのいい物語だった。