クルードス

エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へのクルードスのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ティーンだった当時の自分に思いを馳せながら今の自分を少しだけ考えるキッカケにもなるいい映画でした。
中学卒業前の女の子が主人公だけど、射程範囲が広い。

自分に自信を持つ事、自分を好きになる事って何者でも無い若い頃は特に難しい。
自分の場合は、親以外の他者から認めてもらって初めて自分に少しずつ自信を持てたので、最後ケイラに色々話せる友達が出来て、動画の事を褒めてもらっている場面で「こういう事の積み重ねで生きていけるんだよなあ」と思った。

あと、やっぱり親の愛は偉大。
お父さんから自分への思いを伝えられた後、少しだけ前へ進めたケイラ。
ケイラからすればウザイばかりの父親だけど、嫌な事があったりつまずいた時に寄り添ってくれる大切な存在。
娘に対する素直な思いを、こういう場面でごまかさずにまっすぐに伝えられる親ってすごい。
そして、妻にも逃げられイケてないお父さんにとって娘は生きる希望なんだろうなあ。

でも娘の部屋に行って声を掛ける時、なぜかいつも上半身裸なのは年頃の娘からしたら嫌だろうなあと思ってみたり笑
ただいい人というだけで無く、ウザイと思わせる雰囲気も持ち続けていたのは絶妙なバランス。

ラストの18歳の自分へ向けた動画。
地に足の着いた本当の自分の言葉で語る姿がちょっとだけ頼もしい。
それまで痛いとしか思えなかった動画の最後にいう「グッチー」が、少しカッコよく聞こえたのはグッときた。

映画序盤ではただ痛いだけの場面ばかりでどうなるのかと思ったが、結局大きな出来事は何も起こらないのに、ここまで感情を揺さぶられるなんてすごい映画だった。