このレビューはネタバレを含みます
感情が揺さぶられた。
佐々木の人生何とかならなかったのかなぁとか、佐々木の父ちゃんが死んだ時友達のお前らが支えてやれよとか、佐々木にもう少し寄り添ってやれよとか色々思ったけど、でも全てどうしようも無かったのかなと思ったりぐるぐる。
あれだけバッティングセンターで打てなかったのに、バッセンのホームラン王になっていた佐々木。
やれば出来るじゃん!と思う反面、同級生は誰も打てなくなっているのに一人高校生の頃に留まり続けていて誰よりも打てるようになっていた佐々木。なんか切ない。
ラスト辺りで激しい音楽に合わせてセリフを言って走る場面は正に激情エモーショナルな楽曲のように聴こえて心を揺さぶられた。
細川岳は光と影が強い人物を演じきっていて本当に素晴らしかった。
この作品を観て思い出したのが山本さほさんの「岡崎に捧ぐ」
友人の岡崎さんとの話が中心だが、山本さん自身の人生は本人が受験に失敗して社会人になった後に漫画を描きたいと思いつつも何もせず流されていくところに昔からの友人の杉ちゃんに叱咤激励をされて漫画を描いてそれで売れる、というある意味サクセスストーリー。
佐々木の友人が疎遠にならずに側に居続けてくれたら、親身になってあげられる友人が身近にいたら、と佐々木のアナザーストーリーのようにも感じた。