もじゃ

ファーゴのもじゃのレビュー・感想・評価

ファーゴ(1996年製作の映画)
4.0
「よくも撃ちやがったな」

借金返済のための狂言誘拐のはずが悲劇に。事態はどうなってしまう?

実話に基づく…と出るがフィクションらしい。良かった。悲劇は存在しなかったんだね。ちょっと残念。
良からぬことを考えると良からぬことになってしまう。馬鹿は策を弄するべきじゃないという教訓。
映像に90年代という古臭さはあるけれど、十分に面白いコーエン兄弟の作品。

うだつの上がらないジェリー役のウィリアム・H・メイシーはかなり立派なキャリア。誘拐犯の1人にスティーブ・ブシェミ。こういう小物っぽい役がよく似合う。臨月の署長役はフランシス・マクドーマンド。野暮ったいが頭がキレる良いキャラクター。コロンボのようだ。

ジェリーと誘拐犯の打ち合わせや、義父との関係が説明される序盤。誘拐が実行されて話が動く。中盤は悪化していく状況と真相に近づいていくマージの様子。事件が誰の意思にも依らず、アンコントローラブルな事件が転がっていく実話っぽさを体験できる。
登場人物たちの豊かな個性が描かれる見事な脚本だと思う。

悪いこと企むもんじゃねぇなっていう作品。
もじゃ

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