長すぎ。同じ舞台を映画化した『真面目が肝心』と『アーネスト式プロポーズ』を足したぐらいある。
新しいバージョンなので、ヒロインなどが有色。最初ちょっと違和感あったが、白人ばかりの芝居は誰が誰だか分からなくなることがあるので、そういう意味でも多様性は大事。

映画館にて鑑賞。
初めてのナショナル・シアター・ライブ。

ロンドンでも即完の著名な演劇を映画館で鑑賞できる多幸感。

撮影されたものを上映するという方式から、"割高な映画に過ぎないのでは?"との不安もあったが、編集された映画ではなく「生身の演技を楽しめる」という舞台ならではの感動と臨場感を、思いの外しっかりと味わうことができる。(拍手や笑いなど、劇場における観客のレスポンスも体感できる点が、臨場感を増してくれているように思う。)

ウィットに富んだ言葉遊びの応酬がとにかく楽しい本作。
ブラックネル夫人を格好良く演じるシャロン・D・クラークも印象的であるが、「何も持っていなくても、持っているように見える」アルジャーノンを好演するシューティ・ガトワの演技にオープニングから惹かれっぱなしだった。

楽しみにしていた今年のNTL１本目はオスカー・ワイルドの「真面目が肝心」。
コリン・ファースにハマっていた時期に映画「アーネスト式プロポーズ」を観たので大筋は何となく覚えていたけど、今回の舞台版では、時代劇の枠をあえて飛び越えた衣装や選曲、あるいは映画版よりはるかに細かく投入される膨大なジョークなど、楽しさに溢れた舞台だった。昔も今もそれに多分何十年経っても楽しめるようなストーリーなので、今作のようにジョークをアップデートしながらリバイバルし続けることが可能な作品なのかなと感じた。
そして何と言っても俳優たちのコミカルに振り切った演技が見どころだったのだが、特にエリザ・スカンレンはガーウィグ版若草物語でしか知らなかったので振り幅に驚いた。
あと、インターミッションでSam SmithやCharli XCXをかけてくれたのも個人的にテンションが上がったところ。