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ブリング・ハー・バック

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ブリング・ハー・バックの作品紹介

ブリング・ハー・バックのあらすじ

⽗親を亡くしたアンディと⽬の不⾃由なパイパー兄妹は、とても親切な⾥親ローラの元で暮らし始めることになる。 そこには⾔葉を話さない男の⼦オリバーが⼀緒に住んでいた。 ローラの異様なまでの愛情にアンディは違和感を覚えながらも新たな⽣活を始める。 ある⽇を境にこの家で次々と不穏な出来事、家の周りに点在する謎の円のモチーフ、そしてオリヴァーの存在。 それらが全て繋がった時、隠されていたローラの<恐るべき願い>が明かされるーー。

ブリング・ハー・バックの監督

ダニー・フィリッポウ

マイケル・フィリッポウ

原題
Bring Her Back
公式サイト
https://happinet-phantom.com/bhb/
製作年
2025年
製作国・地域
オーストラリア
上映時間
104分
ジャンル
ホラー
配給会社
ハピネットファントム・スタジオ

『ブリング・ハー・バック』に投稿された感想・評価

kuu
3.8
『ブリング・ハー・バック』
原題または英題 Bring Her Back
製作年 2025年。上映時間 104分。
映倫区分 R15+ 製作国 オーストラリア

双子の兄弟ダニー&マイケル・フェリッポウ監督によるホラー。

『TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー』で世界に強烈なバイラル・ホラーの旋風を巻き起こしたフィリッポウ兄弟が、再びA24と手を組んで放った今作品。
前作がSNS世代の刹那的なトランス体験の消費を描いたのに対し、今作品はより閉鎖的で、逃げ場のない家庭っていう密室に潜む地獄を掘り下げていました。
観客の三半規管を揺さぶるような生々しい視覚演出と、不穏な静寂のコントラストが、単なるショック描写に留まらない上質な緊張感を持続させている。
 
トリビアとして、今作品の撮影期間がわずか41日間という驚異的なタイトスローで行われた点が挙げられるかな。
さらに、張り詰めた恐怖描写とは裏腹に、撮影現場では兄妹を演じた若きキャストたちの間で温かい絆が育まれていたという。
特に、妹役を演じ今作が映画デビューとなったソラ・ウォンに対し、兄役のビリー・バラットが現場で本当の兄のように彼女を支え続けたエピソードは、作中の健気な防衛本能ともシンクロして感慨深い。
 
キャストの布陣において磁力を放つんは、里親ローラを演じたサリー・ホーキンス。
『パディントン』などで見せた聖母のような包容力と温厚なイメージを、今作ではほどよく歪ませ、観客の認知を狂わせるマトリキアル(母親的)な怪演へと昇華させている。
彼女の瞳に宿る、哀愁と狂気が混濁した眼差しは、言葉を発しない少年オリヴァーの不気味な佇まいと相まって、逃げ避けることのできない生理的な嫌悪感をスクリーンに定着させていました。
 
映画の背景に横たわるんは、かつて『ヘレディタリー/継承』や『ミッドサマー』が切り開いた、ファミリー・トラウマ(家族の呪縛)の系譜であり、そこにオカルト的なコミュニティの不気味さを融合させた現代的フォークホラーの構造です。
作中に点在する謎の『円』のモチーフや、ダークウェブから流出したかのような粗いビデオ映像は、一度足を踏み入れたら二度と抜け出せない因習の檻を視覚的に象徴しているんなか。
日常の象徴であるはずの家が、徐々に異界の儀式場へと変貌していくプロセスの手際の良さは見事という他ない。
 
違う視点で物語を紐解くと、ここには、複雑性悲嘆(愛する人の死を受け入れられず、日常生活が破綻するほどの精神的機能不全に陥ること)の最も極端で、最も利己的な防衛機制が描かれています。
ローラの行動は、喪失の痛みを直視できない人間が、自らの精神を守るために現実を都合よく再構築しようとする、いわば、歪んだ自己治療の試みと云える。
失った対象への執着が度を越したとき、それは他者を自らの欠落を埋めるための器(代替品)としてしか見なさなくなる。
この、他者の尊厳を完全に剥奪する、過剰な愛という名の暴力こそ、今作が突きつける最も現代的で、最も心理的恐怖に満ちたテーマと云えるんじゃないかな。
 
単なるジャンプスケアに終始せず、登場人物それぞれの痛みのディテールを丁寧にすくい上げることで、観終わった後には、胸を締め付けられるような切なさと、真っ黒な重苦しさが奇妙な静寂とともに残った。
誰かを失ったとき、はたして正気でいられるのかという実存的な問いを、容赦のない筆致で突きつけてくる、まさに痛みの輪廻を描いた作品でした。


兄のアンディと目の不自由な妹のパイパーは父親が亡くなり、里親ローラのもとで暮らすこととなった。そこには言葉を話さない男の子オリヴァーが一緒に住んでいた。ローラの過剰ともいえる愛情にアンディが違和感を覚えるが、彼女のもとで兄妹の新たな生活がスタートする。ある日を境に、この家で不穏な出来事が次々と起こる。さらに、家の周辺の点在する謎の円のモチーフ、そしてオリヴァーの存在。無関係に思えたそれらがすべてつながった時、それまで隠されていたローラのある「恐るべき願い」が明らかとなる。

兄のアンディを「クレーターをめざして」のビリー・バラットが演じ、妹のパイパー役のソラ・ウォンとオリヴァー役のジョナ・レン・フィリップスが本作で映画デビューを果たした。里親のローラ役を「シェイプ・オブ・ウォーター」のサリー・ホーキンスが演じる。
symax
3.8
"あの娘が必要なの…だって…"

父の突然の死によってアンディと義妹パイパーは二人きりになってしまった…

目が不自由な妹の後見人になりたいと考えているアンディ…それには18歳の誕生日が来るまであと数ヵ月待たなければならなかった。

離れ離れになることを拒んだ二人は、ローラに里子として引き取られることに。

過去に娘を亡くしているローラは、口がきけない少年オリバーも里子としていた。

少々変わり者だが、ユーモラスなローラにパイパーはすぐに懐き、アンディもこの家なら安全だと思っていた…

ただ…何かが引っ掛かる…

オリバーの奇行を目の当たりにしたアンディは、ローラの行動に疑念を感じ始めたその時…

"トーク・トゥー・ミー"のフィリッポウ兄弟の新作は…いやぁ〜いろんな意味で、"なんかヤバイ"…それに"怖い"…

痛い、グロい、怖いの三拍子が揃った良質なホラー…

儀式系ホラーという売りですが、私的にはそれ程"儀式"というものを意識せず、人の執着心の怖さが前面に出された"人怖ホラー"といった印象…

まぁ題名からして、ほぼほぼネタバレではないかとは思いますが…

コレまで演じてきた役柄もあり、良い母的ポジションのイメージが強いサリー・ホーキンスがその演技力もあり、めちゃめちゃ不気味で怖い…尋常じゃないっす…

妹想いのお兄ちゃんであるアンディが、コレでもかというくらいに酷い仕打ちを受けまくり、それでも妹を守ろうとする健気な姿に感涙…

本作のもう一人の主役と言えるのが、謎めいた少年オリバーを演じたジョナ・レン・フィリップスくん…まぁそれはそれは綺麗な頭の形に綺麗な瞳…なのにどうしてあんな酷いことさせんのってくらい衝撃の連続…ここ最近では抜群のホラーアイコンとなったのでは?
ぶみ
4.0
決して、願ってはいけない。

ダニー・フィリッポウ、マイケル・フィリッポウ監督、ビリー・バラット、ソラ・ウォン、サリー・ホーキンス等の共演によるオーストラリア製作のホラー。
父親が亡くなり、里親に引き取られた兄妹に巻き起こる不可解な出来事を描く。
主人公となる兄のアンディをバラット、義理の妹のパイパーをウォン、里親のローラをホーキンスが演じているほか、ジョナ・レン・フィリップス、サリー=アン・アプトン等が登場。
物語は白い線で引かれた円の中で上を見上げる女性が登場、裸の男も現れ、何やら儀式めいたものが始まり、それをビデオで撮影している様子が映し出された後、咀嚼音のような音が響き渡り、タイトルが表示されるという不穏感満点のオープニングとなっている。
次には、バス停で目が不自由なことを理由に同級生から汚い言葉を浴びせられるパイパーへ駆け寄るアンディという構図となり、兄妹の仲の良さが窺える中、自宅に帰ると父親がお風呂で倒れているというシークエンスになるが、全裸で仰向けモザイクなしという姿に、いきなり度肝を抜かれることに。
以降、父親を亡くした兄妹が施設職員の手配により、里親となるローラに引き取られて生活する様を中心として展開。
ローラは、人里離れた一軒家で、同様に預かっている少年のオリバーと暮らしているのだが、言葉を話すことがないオリバーの、水のないプールの中で裸で佇んでいるというファーストカットは、彼の不気味さが伝わってくるもの。
そして、ローラはパイパーを溺愛する反面、アンディには冷たい態度を取っていくものの、そのローラの行動が非常に気持ち悪く、まさに演じたホーキンスの怪演が際立っていたところ。
加えて、実際に視覚障害を持っているウォン演じるパイパーの、形と光はわかるという設定が何気に効果的で、サスペンス要素を高めていた次第。
クルマ好きの視点からすると、アンディの愛車が、かつてオーストラリアに存在していたブランドであるホールデンのコモドア、またローラのクルマが日本ではサファリの名で販売されていた日産・パトロールであり、その堅牢さが見てとれたのは見逃せないポイント。
終始、不穏な空気に包まれており、視覚的にも心理的にも嫌なことしか起こらない作風に、思わず目を背けたくなることがありながらも、ローラの変貌ぶりや兄妹愛によるドラマもしっかり描かれていたのは良かったとともに、何はともあれ、メロンと包丁がトラウマになりそうな怪作。

グレープフルーツだよ。

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