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スリ(掏摸)のいののレビュー・感想・評価

スリ(掏摸)(1959年製作の映画)
3.3
掏摸はきっと薬物とかに似ていて、癖ヘキというのか常習になってしまって、やめたくてもやめられなくなるんだと思う。でも、この映画の主人公には、やめたくてもやめられないといった葛藤はない。やってしまった行為に対する罪悪感もない。脳内ひとり会話はいっぱいしてるけど、高慢ちきな文学野郎の独白は、わたしの頭には全然入ってこなかった。競馬場からはじまって、掏摸の手口は多種多様、特に集団連携プレイは本当にお見事で、優れた手品師の手捌きを目の前でご披露してもらっているかのよう。人々の歩く音など、音にもこだわりを感じた。マリカ・グリーンは初めて観ました。みる者を惹きつけてやまない魅力。纏っている白いシャツは、あえてシロを着せているんだろうけれど(ノーブラもあったと思う)、そのお美しいお姿はまるで聖母マリアのようでもあった。最後には救ってもらおうなんてさ、ったく男ってのは図々しい夢を見すぎるんではないかいw?(名作なのかもだけど、自分の感情に正直なスコアで)
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