貧乏球団が「野球の試合は名プレイヤーでゲームメイクする」というこれまでの慣習を無視して、どうすれば勝てるのか(=塁に出なければ勝てない)という理論に基づいてチームを作っていく。
アスレチックスのGM、ビリー(ブラピ)がそこにこだわってチームを作ろうとするが、チームのスカウトマンや監督はこれまでのやり方を通そうとする。
インディアンズで名門大学は出たが実績がないため燻っていたピーター(ジョナヒル)を引き抜いて、セイバーメトリクス理論をもとにチームを作っていく。
故障して使い物ならない選手、素行不良な選手、体力的限界の近いベテラン選手など、他の球団から見向きもされないような選手たちを集めてチームを編成する。
それでも監督は頑なに彼らを使おうとしないため、チームは負け続けてどん底成績になるが、剛を煮やしたビルは主力選手をトレードに出して、自分が選んできた彼らを出させるように仕向ける。
そこから快進撃が始まり、ア・リーグ記録の20連勝を達成する。
彼らを使い出した途端面白いように連勝して思惑通り進むのは出来過ぎなような気もするけど、多少の演出こそあれ、それが史実に基づいているというのなら仕方がない。
それにしてもアーロン・ソーキンの脚本家としての才能が凄い。
特に会話のテンポと掛け合いのセンスは特筆すべき。
そもそも、ソーシャルネットワークやシカゴ7裁判の脚本担当と知って、彼の書いた作品が観たくて今作を視聴したのだ。
メジャーリーグはもとより野球にすら全く興味がなかったが、それでも充分楽しめた。