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散り椿のSUIのレビュー・感想・評価

散り椿(2018年製作の映画)
3.0
瓜生新兵衛(岡田准一)は病に倒れた妻の篠(麻生久美子)の遺言を叶えるために、藩の不正を訴え出たために藩を追われた故郷に向かった。
それは、新兵衛と平山道場でしのぎを削り合った良きライバルにして“四天王”の一人と目されていた榊原采女(西島秀俊)を助けてほしいこと、そして故郷の“散り椿”を自分の代わりに見届けてほしいという願いだった。

地味で物静かな物語は雰囲気があって良いとは思えど、どうにもハマらない。
それはきっと亡き妻のためとか、妻は本当は誰を想っていたのか(かつて篠と采女は想い合っていた)とか、あの人を助けてあげてとか、そういった恋模様のウェットな要素が薄っぺらく感じて、単純に好みではないから。

更にはクライマックスの戦闘シーンもいただけない。
件の藩の不正に関わっていた城代家老の石田玄蕃(奥田瑛二)との最終決戦、共に四天王だった新兵衛と采女の二人が共闘するという胸熱展開であるはずなのに、その二人の強さを魅せる演出がどうにもいけない。
差し出した刀に自分から突っ込んで死ぬ、対峙した構えからヒョイと振った刀を避けもせず致命傷を負う、采女を射った矢は弓なのに手を伸ばせば届く距離にいて、案の定新三郎(岡田准一)にサクッと切られる、そんなどいつともこいつもポンコツな敵兵達。
それやっちゃうとは相手がただ雑魚ってだけで、新兵衛や采女の強さは引き立たない。
強さを演出するというよりは、ただのおままごとにしか見えない。

決して悪くはないとは思うけど、あまり好みではなかった。
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