ミサキ

コマンドーのミサキのネタバレレビュー・内容・結末

コマンドー(1985年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

ネットにたくさん名言は転がっているけれど、そういえば観たことはないなあ…とTSUTAYAでレンタルする作品を物色してる時に目に留まったのでその勢いで借りました。よく確認せずに借りた(笑)ので字幕版のみ収録のBDを鑑賞しました。

初っ端からなぜかゴミを捨てに来ただけのガウン姿のおじさんが殺され、車のディーラーは展示されてる車で轢き殺され、漁船に乗り込んだ(これは顔を見たときにベネットだ!とわかりました)ベネットはあからさまにリモコン操作で爆破され…シュワちゃん出てこないなあと思ってたら突然のBGMからの筋肉ムキムキマッチョマンがすごいキメ顔で丸太を運んでくるだけの映像が流れ出し……脳の処理容量が開始数分でパンク。

かと思ったら筋肉ムキムキマッチョマンとその娘のキャッキャウフフシーンをBGMオンリーで流され中々視聴者の想像力を掻き立てる場面が続き、ようやく私も早くしてるあらすじの導入へ。

あらすじ知ってるからいいけど完全に予備知識なしで見たら将軍の説明で絶対「あの冒頭で殺された奴らみんな元コマンドーかよぉ!?」ってビビると思う。コマンドー引退して車のディーラーなんかやる?? やらないと思う(断言)

この後さらに映画は一般人を置き去りにする超速展開で進んでいくわけですが、正直ストーリーというよりはメイトリクスの超人…もはや人間を超えた筋肉の怪物っぷりを思う存分楽しむ映画だな〜という印象でした。

もうめちゃくちゃでしょ、交渉役のおっさんを早速撃ち殺すわ(ここ、英語だとNoなのに日本語だとOKと訳しているの超クールですね!)エンジン壊されてる車自力で坂まで動かして飛び乗るわ離陸間近の飛行機から監視役ぶっ殺して飛び降り脱走するわ…。ところでいくら寝ているからと言って飛行機で後ろからあんな不穏な音がしたら私だったら振り向くんですが。そもそとあんな座席がバウンドするほどの勢いで殴られたら前の席にも衝撃ありそう(こなみ)

もはや飛行機から飛び降りたあたりぐらいで感覚が麻痺しはじめて車から座席をバリバリ取り外したり公衆電話ボックスを持ち上げる程度では何も思わなくなっていた自分が怖い。

サリーやらクック自体の存在は知っていたものの、本編ではああいう感じなんだなあ〜というのをちゃんと勉強できてよかったですが、思ってた以上に儚い命すぎて人が紙くずのように殺されていくな…としみじみ思っていました(そしてこのあと某グラサンのあの人もびっくりな勢いで人がゴミのように死んでいくのをまだ私は知らないのであった…)

というか途中で巻き込まれただけどシンディも娘のためだというメイトリクスに私も手伝うと言えるの、人と人の助け合いが希薄な現代に見ると眩しい女性ですね。というかメイトリクスもたまたま拾った女が割と行動力があり飛行機操縦できる女だなんてなんて幸運なんだよ。運すら化け物か。

正直問題の島に着くまででかなりお腹いっぱいというか、名シーンがたくさん見られたのでここからはそうでもないだろう…と思っていた私がアホでした。ここからが本当の本番でした。

娘の居場所がわかってないのに近場にあった建物を大爆発させたシーン未だに最高すぎて何度でも見返したい(笑) からの島中大殺戮開始シーンの迫力たるや。あれだけ大量にやってくる敵を次々と倒すあの感覚、バイオハザードやら無双シリーズをプレイしている時のそれでしたよ。爽快感。この一言に尽きる。

「見てこいカルロ」のシーン、死亡フラグが立ったと思った次の瞬間にはカルロ死んでるし防弾チョッキ脱いだ方が強いメイトリクス、おかしいよ!!!

大統領になった気でいるアリアスも肝心の俺が守る(笑)と言ってくれていたベネットが脱走娘にブチ切れ追跡してる最中にあっさり始末される展開。ここまで苦戦しない最強主人公、ありがちだしオタクの界隈では流行りでもあるけれどもこれが原初の姿だな…メイトリクスはすげぇんだ。そう思わせてくれる説得力がシュワちゃんの肉体にはある…。

それまでのシーンが結構激しくどんぱちやってたのでベネットとの戦闘シーンは狭くて暗い場所でボコボコ殴り合うだけだったので少し地味に感じましたが、そこは上手くセリフ回しで面白みを加えていましたね。突然の洗脳セリフ、そしてそれに従い娘を放し銃を捨てものすごい顔芸を決めたあとにナイフで切りかかるベネット…。個人的なことですが、あのものすごい顔のシーン、よく静止画でネットでは見かけるのですごく印象に残っていたのですが一連の映像で見るとそうでもなかったので驚きました。うーん、最初にあの一コマを激写した人、天才なのでは…。

ところでwikipediaで見かけたヴァーノン・ウェルズがベネットのことを「ステロイドを使用したフレディ・マーキュリー」と表現した、というのめちゃくちゃ面白すぎて未だに思い出し笑いできます。いや、あの髭の生え方してたら誰でもそう思っちゃうよ……。

30年以上の前の映画なので、公衆電話を使うなどの時代を感じるシーンは携帯・スマホが当たり前になっているデジタルネイティブ世代の子が見るともしかしたらちょっと不自然に見えたり退屈に思ってしまうかもしれませんが、個人的にはひとときも目を離せない最高のスカッと映画だと思います。今見ても十分面白い。現代のネットの民たちがあれだけ騒ぐのも納得の出来です。一点あえてなにかを言うとすれば完全にメイトリクス最強伝説を見届ける映画なので絶体絶命ドキドキハラハラ!というシーンが皆無なので、アクション映画にはスリルも付き物と思っている方だと少し物足りないかも?

私はなんでもっと早く見なかったんだろう!と後悔したので、周りのまだ見ていない人には積極的にぜひ見てくれと勧めたい一作でした。今度は吹き替え版で見ます!
ミサキ

ミサキ