翼

12モンキーズの翼のネタバレレビュー・内容・結末

12モンキーズ(1995年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ー 俺たちの過去も映画と同じ
映画は同じなのに、観る自分が変わって違う映画に思える。違う自分に気がつく。 ー

難解だけどそれ故に考察の余地が広く、それがカルト的な人気に繋がってる。エヴァみたいな楽しみ方。
一度で全容が掴めないので、ただただ流れに身を任せると振り回されて頭シェイクされるような不快感さえ残る。でもこのエグみが逆に本作の味になっている感あり。

空港での事件が起き、少年はその情景を目に焼き付ける。ループする運命を想起させておきながら、着席する犯人の横には『救済保険業』の未来人。保険は事件の後に発動するもの。つまりは…。
最後、ジェームズ少年が見つめる飛行機はきっとパンデミックを引き起こし、世界に放たれる。それをただ見ていることしかできない無力感と、彼の運命への悲壮で幕を閉じるという…この絶望感と脱力感は癖になる。確かに支持されるわけだ。

中盤、見えない敵と戦いながら街中で叫ぶ二人は異様に見えた。これは意図して統合失調症のように撮っていると思う。彼らは妄想と戦っているのではなく、世界の危機を救おうとしているのかもしれない。
翼