橘

人間の証明の橘のレビュー・感想・評価

人間の証明(1977年製作の映画)
3.5
「母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね?」。原作は既読ですが色々と改変されてて…随分とトントン拍子に捜査が進むのね、と思いました。ストゥーハ=麦藁帽子が早い。。
特に恭平の遺留品が舶来物の時計になってるのびっくり。くまのぬいぐるみじゃないのか。ぬいぐるみはややこし過ぎるから2時間くらいじゃ済まなくなるけれども。

トントン拍子だから軽い印象になったのかな。岩城滉一さんが軽薄というのはあるけど、でも70年代の若い男性俳優さん皆さんこんな喋り方するからな〜奥田瑛二さんも水谷豊さんもこう。。
棟居さんも冴えて…松田優作さんは影も感じるし格好良いなぁ。海外ロケでもひけを取らないスタイルだし。
忘れちゃならない大好きな北林谷栄さま…遠い目をして煙草を吹かしながらあの頃の話してるの凄味がありました。コメディもシリアスも素敵。。

母役の岡田茉莉子さん、授賞式でのスピーチ圧巻でした。今の暮らしを守るために過去を殺したけど、今の暮らしで守りたかったものも亡くして。。因果因縁。それは米兵から警察官になったケネディさんもそうでした。
スピーチ終わるまで逮捕しないの、『砂の器』みたいだな、と思ったりしました。
戦争が全てに影を落としてました。「会いたかった母さんは僕が邪魔」っていうのは絶望だ。。



結構序盤に、原作者の森村誠一さんが出演してらして!?となりました。横溝正史さんといいスティーヴン・キングさんといい、著作の実写映画にお出になるのね。
橘