カルダモン

ナイアガラのカルダモンのレビュー・感想・評価

ナイアガラ(1953年製作の映画)
4.6
面白かった〜。でもそこまで温度高めのレビューは見かけなくてちょっと寂しい。私的にはナイアガラの滝を舞台にしたサスペンススリラーってだけでほとんど満点に近いですけどね。

全体的にヒッチコックを連想するような画面が目に楽しくて、劇中に登場する印象的な塔は『めまい』なんかを思い出したりするんだけど、時代的にはこっちの方が先でした。どうやらカナダとの国境検問所のようですが、鑑賞後にナイアガラの滝付近をストリートビューで散策してみたら、今現在もちゃんと建っておりました。劇中に宿泊したロッジは残念ながらなくなってましたが、屋外にあった石造りの休憩所みたいなところはちゃんと残っていて、ロケ地の観光名所になっているようです。滝の真下まで行けるツアーや遊覧船などのシーンでは、まるでその時代を観光してるような気分。


話が観光寄りになってしまいましたが、マリリン・モンローのファムファタールっぷりが見事に咲き誇り、散った姿までもが美しかった。彼女の出演作はあまり見た記憶がないのですが、この作品では初期の頃の少し初々しい感じが漂って見えます。



滝の上流を見たことがあるかい?
おだやかで木を浮かべても漂うだけ。
でもその木を押してやると
やがて急流に飲み込まれて、
滝壺に落ちていくのを
神ですらとめられない。

ご心配なく
私は漂うだけの木よ。




目に見えない何かに押されて、逆らう術もなく落ちていく人間模様。新婚旅行で最後の最後まで巻き込まれたカトラー夫妻が良い人すぎて気の毒。