ちょこばなな

源氏物語 千年の謎のちょこばななのレビュー・感想・評価

源氏物語 千年の謎(2011年製作の映画)
2.5
女々しい自分本位な口の立つ美男子に翻弄される可哀想な美女たちの話。
予習が足らず、10分毎に調べながら鑑賞。笑
一夫多妻制を生き抜いたこの時代の女性を尊敬する。

開始30分頃から突如始まる呪詛ファンタジーの世界に唖然としたけど笑、式部が頭の中で生み出した人物が紡ぐ世界だと思うとまあ受け入れられた。

ただ藤壺と桐壺が同じ役者さんなのは面白みに欠けるし、高飛車なはずの葵の上は純粋そうな多部ちゃんで、そこが少しイメージと違った。
麗奈ちゃんは品と教養を持った、揺れ動く乙女をパーフェクトに表現されてて完璧だった。

道長の娘の旦那様を繋ぎ止める為に源氏物語を書かせる意味が分からないけど(ゴーストライター?)、1人の人間の中に常に何人もの人格が存在していて、式部自身の葛藤が、何度も身を引く女性達を表しているようで、観ている方も苦しかった。
親に求める愛と、異性に求める愛は紙一重の差かな。

光源氏よ、高位の者だからといって人の家の花を勝手にへし折らせるのはどうだろう…
目に入る花がほぼ造花なのが気になってしょうがなかった笑
身分で脅しをかけた時「観仏の前では只人でございましょう」と一蹴するお坊様が格好いい。

源氏にイライラするけど、出てくる女性が皆美人さんで、美しい言葉遣いや文で愛を深める奥ゆかしいしきたりが相まって贅沢な気持ちになれるからまた観たい気もする笑
美人さん含めた歴史上の人物一人一人を掘り下げれば、歴史物も面白く感じられるかも。