ノッチ

オペラ座の怪人 25周年記念公演 in ロンドンのノッチのレビュー・感想・評価

5.0
19世紀中頃のパリ・オペラ座。そこでは、“オペラ座の怪人”の仕業とされる奇怪な事件が人びとを震撼させていた。

醜く歪んだ顔を仮面に隠し、オペラ座の地下深くにすむ怪人は、コーラスガールのクリスティーヌに心を寄せる。

だがクリスティーヌは、再会した幼なじみのラウル子爵と愛し合うようになる。

それを知り嫉妬に狂った怪人は……。

25周年を記念したオペラ座の怪人特別公演ミュージカル舞台映像。

2011年10月、イギリスのロイヤル・アルバート・ホールで上演された舞台です。

すごい迫力。

レミゼラブルのコンサートとはまた違い更に豪華に、そしてオペラ座の世界観が舞台よりも形になっている。

ジェラルド・バトラーがファントムを演じた2004年の映画版は非の打ちどころがないほど素敵です。

こちらの25周年記念公演は、劇団四季を5倍ほど豪華にしたもので非常に贅沢。

総勢200人以上のキャストとオーケストラが共演。

超豪華な舞台が素晴しい。

160分と長いので途中寝そうになりましたが、後半胸が熱くなり涙腺にきました。

躍動感を感じることができ、この先こんなに良い作品は出てくるのかな…、そう思うほど素敵な作品です。

クリスティーヌもファントムも声が素晴らしく安定しているし、マダムジリー等他のキャラクターも役にぴったり。

役者さんが素晴らしく、迫力ありなので感動。

とにかくこの作品は作曲が素晴らしく、ミュージカル史上最高といってもいいのでは。

「歌いながら芝居もする」んじゃなくて、「芝居の中に歌がある」そんな舞台。

ほんとのミュージカルってこういうものか!と感じました。

25周年記念という事でお祭り要素もあり、最後には初演メンバーも登場するサプライズありで大盛り上がり。

何度も楽しめると思う。

長く続くには、理由があるなーと感じます。

ラストシーンは登場人物の誰に感情移入しているわけでもないのですが、涙、ナミダ、なみだでした。


ちなみにこれは余談ですが、この舞台の作者、アンドリュー・ロイド=ウェバーのかつての妻はサラ・ブライトマンでした。

お互いの才能に魅せられて結婚した2人ですが、サラの心は次第に離れ離婚に至ります。

2人をご存知のかた、おわかりかと思いますがアンドリュー・ロイド=ウェバーは容姿が良くありません。

作者が怪人であり、サラがクリスティーヌ。

芸術の世界では響き合うものがあっても、現実世界ではその関係を保つことができませんでした。

このことを知った上で観ると、なぜこう言うのか、こう歌うのか、良く分かります。

アーサー・コピット&モーリー・イェストン版を観たアンドリュー・ロイド=ウェバーは、「僕ならばもっと良い舞台を作ることができる」と考えました。

サラの心が自分から離れていることをはっきりと感じ、自分の境遇と重ね合わせていたからです。

舞台が完成した時、もう2人にかつての絆はありませんでしたが、最初にクリスティーヌを演じたのは、サラ・ブライトマンでした。
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