えるどら

ロッキーのえるどらのレビュー・感想・評価

ロッキー(1976年製作の映画)
4.0
不朽にして永遠、名作の中の名作。

2024年映画初め、新年にピッタリの良い映画だった。
長い年月を経て名作として語り継がれる作品は伊達じゃない。まず何より映像が強い。どのシーンを切り取ってもカッコいい。朝4時に生卵を飲み込んだロッキーが、まだ暗い朝の街を静かに走り出すシーンは現代でも類を見ないほどカッコよくて最高に痺れた。最後の試合のシーンもずっと最高だ。本当のボクシングの試合なんじゃないかってくらいリアルで、手に汗を握った。最後の「エイドリアーン!」も良いし、その後を描かずに愛を確かめたところで止まるのも潔くてカッコいい。

勿論、映像に負けないくらい脚本も良かった。なによりロッキーとそれを取り巻く周囲のキャラクターたちが魅力的だ。ごろつきたちの街で用心棒みたいなことをしなければ食っていけない貧しい三十路ボクサーが、偶然世界チャンプと戦うことになり、今まで世話になった人たち全員と力を合わせてチャンスを掴む。王道の中の王道、故に外さない。でもこれはあくまで愛の物語で、だからこそラストはあれがカッコいい。
個人的にはアポロ・クリードの名前が良すぎて一人噛み締めていたりもした。アポロ・クリード、何の因縁も無かったはずだし陽気だし強いし面白いしすごく気持ちの良い敵キャラだった。彼の物語もまた気になるね。

「見ればわかる、これは名作だ」を全映像から受け取ってしまった。キャラ、脚本、構成、構図、演出、音楽、どれをとっても、いつ見てもこれは面白い映画なんだと思う。今年一発目の映画にふさわしい良い映画だった。
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