風に立つライオン

ビッグウェイブの風に立つライオンのレビュー・感想・評価

ビッグウェイブ(1984年製作の映画)
3.8
 1984年に制作されたサーフィンを中心とした夏のスポーツドキュメンタリー映画である。

 何もサーフィンを観たかったのではなくて、全編山下達郎の音楽で埋められてるという事で勇んで劇場へ行った記憶がある。

 ハワイのノースショアでは時として数十mの波が形成され、それに世界の腕利きサーファーが挑む様子が映像化されている。
 30年以上時代も過ぎるとBig Waveのメッカは今ではポルトガルのナザレ海岸らしい。
 そのサーファー達の波乗りの様子を記録したドキュメンタリーを観たことがあるが、まさに命懸けのライドであった。
 何せパイプラインを潜った最後、投げ出されたサーファーに後から襲いかかる大波たるやビルディングほどの高さで、まともに巻き込まれると全身打撲は間違いないようだ。
 すぐウォーターバイクでレスキューが都度入るのである。

 「何故そこまでやるの? 」

  「なぜならそこに波があるから」
  なのかもしれない。

 そこに被る山達の

  「The Theme from Big Wave」
「Jody」
  「Magic Ways」
  「Your Eyes」
 
 など今はもう懐かしい名曲が並ぶ。めちゃくちゃカッコいいサウンドでドラムはまだバリバリの頃の青山純氏が叩いていて、スネアはソナーのD-505のダス系の音でした。

 山達の音ってユーミンや陽水、サザンもそうだけど古臭さを感じないんだよねー。
 何故なのかな?
 だって達郎の「クリスマス・イヴ」って創られたのは1970年の初め頃にもかかわらず古臭さがないよね。
 ちなみに当時、達郎氏のプロデューサーだった大瀧詠一氏はクリスマス・イヴを聴かされて

 「この曲はどうも売れそうもない」と言い放ち、10年近くお蔵入りになっていたらしい。
 後に電通の社員がライブでこの曲を聴き、深津絵里を起用して遠距離恋愛の妙を映し出した「JR東海シンデレラエクスプレス」を世に送り出す。
  大瀧氏は亡くなる前、この曲を評して「百年に一度の名曲だ」と言ったらしい。

 絵里ちゃんも良かったけど、牧瀬里穂ちゃんも良かったよなー。失礼! 口が半開きになっておりました。

 兎にも角にも、画像にベストマッチのサウンドトラックであったとさ。