ギズモX

トランスフォーマーのギズモXのレビュー・感想・評価

トランスフォーマー(2007年製作の映画)
4.3
【ホビーの世界から来た電撃戦!】

レビュー数がもうそろそろで250になりそうだけど、そういえばまだマイケルベイをやってないなと気付いたので、今回は皆ご存知、マイケルベイ×ドリームワークスによるこのSFアクション超大作を。

僕がこのシリーズと聞いてパッと思い浮かべるのが電気屋。
爆発時に舞い散る破片やトランスフォーム時の演出など、小さなパーツに至るまで事細かく写したCG技術がTVの性能を確かめるのに非常に役立っていて、一時期、電気屋のTVコーナーに行くと必ずと言っていいほどこの映画が流れているなんてことがあった。(今でもたまにある)
本作が実写映画のCG技術を高めた作品であることには間違いないだろう。

それにしても相変わらず酷い作品だ。
マイケルベイの作品は派手さがウリだけど、いざアクションシーンってなると、何が起きているのがさっぱり分からないという致命的な弱点を抱えていんですよね。
カットを細かく割るし繋げ方も雑、物体の動くスピードが早すぎて目に追えない、おまけにカメラも揺れまくりで長時間見てると頭が痛くなる。
『バンブルビー』を初めて観た時はあまりの分かりやすさに(僕は今まで何を見せられていたんだ)と後悔の念を感じたぐらいだ。
マイケルベイは魅せ方が本当にヘタクソ。
しかし、この初代にはそれを上回るワクワク感と面白さが満ちていたと声を大にして言いたい。
その理由は、他の惑星の機械生命体がいきなり地球に襲来してきて、世界の滅亡に瀕するレベルの最終決戦を繰り広げるストーリー構成、その一点に尽きるからだ。

敵も味方も本気で仕留めにかかってくる容赦のなさ。ことあるごとに起きる大爆発と大破壊。
人類の事情など全くお構いなし!あの米軍ですら「勝てない」と言わしめた文字通りの電撃戦!大侵略!
いきなりこんなやりたい放題されたら、そりゃお手上げ状態にもなるよ!
初代はブロックバスターの取り扱いが上手かった!
続編『リベンジ』からは人間とトランスフォーマーによる協同作戦の体制が整ったから、この電撃戦の部分がかなり薄められていて、そこが残念だったな。

また、宇宙人との接触を描いた『未知との遭遇』『E.T.』、宇宙人からの攻撃を描いた『宇宙戦争』、そして宇宙人同士の戦争に巻き込まれる本作といった具合に、実は本作もスピルバーグが手がけたSF映画の系譜を受け継いでいて、僕のオールタイムベスト映画である『スモールソルジャーズ』のコンセプト、"ホビー同士が生み出す戦争"を継承しているのも好きな理由の一つ。
昔は嫌いだったけど、今ではドリームワークスを語るのに欠かせない作品だ。

さてと、ここからはちょっと荒れそうな話。
確かにマイケルベイの作品はどれも酷い。
でも、今になって考えると、まだマシだったかなと思えてしまう時がある。
なんていうのかな、マイケルベイの『トランスフォーマー』シリーズは"五作"で済んだのね。
それを踏まえると、これ以上にバンバン続編を出し続けているシリーズ、特にMCUとかトムクルーズとか、一体どうなのよ?ってモヤモヤした気持ちになる。
ぶっちゃけた話、娯楽方向に関してだとどれもあまり大差ないし、マンネリを封じ込めれるほどに成長してきたとは思えない。
むしろ、続編を作ること前提でことを進めるシリーズが以前にも増してきたとすら感じてしまう。
ある意味、マンネリだと言われて飽きられてしまったマイケルベイの演出はあれで正解だったのかもしれない。
世の中にはこれよりも同じものを作り続けているシリーズがある。
それだけは言っときたい。

一番好きなキャラクターはメガトロン。
彼が登場する場面を見ると「人類の小さいいざこざなんて全部蹴散らしてしまえ!」と応援したくなります。
メガトロンに栄光を!
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