パクチャヌク監督による韓国「復讐三部作」の一本目にあたる作品。
全ての始まりは、主役の1人である聴覚障害者のリュウが、病気の姉を助けるために裏社会の臓器提供に関わってしまったこと。
自身の腎臓も姉の手術費用も騙し取られ、身代金目的の誘拐を実行してしまう。
娘を誘拐されたもう1人の主役であるパクと、誘拐したリュウ。
この2人は被害者と加害者であり、ともに復讐者という立ち位置で、主観が入れ替わりながら物語は進んでいく。
復讐はなにも生まないとはよく言うが、そんなことはなく、復讐は救いようのない負の連鎖を生み出し続けてしまうということが衝撃的に伝わってくる。
とにかくメインの俳優、女優のインパクトがものすごい映画だった。
演出的には、直接的な表現を避けることで視聴者に想像させるようなシーンが多かったように感じた。
そういう演出はどちらかというと好みではあるのだが、この映画はちょっとそれが多すぎかなと観ている途中気になってしまった。残念。