バナバナ

雨に唄えばのバナバナのレビュー・感想・評価

雨に唄えば(1952年製作の映画)
5.0
ジーン・ケリーの映画を初めて見ました。

子供の頃のイメージは、ハリウッドの50年代のミュージカルスターは、フレッド・アステアが一番で、ジーン・ケリーは二番煎じなのかなと、失礼ながら思っていたのですが、
今作を見ると、ダンスだけでなく、歌やアクション、コメディと凄く多彩な人だったんですね。
特に、こんなにアクションも出来るとは!

本作は雨の中を踊っているシーンが有名だったので、まさかストーリーが1927年のサイレントから、トーキーに移り変わろうとする時期の業界暴露話だとは思っていなかったので、大変面白く観る事ができました。
美しいのに、底意地が悪く自分勝手な売れっ子女優だとか、スタジオのセットの様子だとか、映画はこういう風に撮られているのかと、当時の観客の人が観た時に内実が分かって、かなり斬新だったでしょうね。

主人公ドンの幼馴染で相棒コズモ役のドナルド・オコナーも、
ケリーに負けず劣らずのダンステクニックや面白い動きで華を添えていて、当時は芸達者な俳優がたくさん居たんだなと思いました。

映画が始まった時点で既にトーキーの大スターだったケリーの役ですが、
冒頭で、実は貧しい生まれながらも、子供の頃から相棒コズモと現場で叩き上げてきた実力者だという事を、短い時間で面白く、尚且つサラッと見せていたりと、
演出的な部分でも無駄な部分が全く無く、それでいて豪華だったので、パーフェクトでした。

ジーン・ケリーの他の作品も観てみたいと思います。
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