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雨に唄えばのkのレビュー・感想・評価

雨に唄えば(1952年製作の映画)
3.7
雨の中、ジーンケリーが歌うシーンは言わずと知れた名シーンですよね。見ていても、あ、やっとこのシーンだ! みたいにこのシーンを待っている自分がいるほど印象的です。

物語は、映画がサイレントからトーキーへ移行する時代の俳優たちを描いています。映画界にとっては大きな変革であっと同時に苦悩もつきまとうんですよね。今で言えば、4K8K放送への移行だったり、ネット配信の増加だったりなんですかね。時代のニーズに答える人間もなかなか大変です。今作のリナも、時代がトーキーへと動き始めた中での、女優として絶望的な声と歌唱力のせいで酷評を浴びます(ただ本人は驚くほどポジティブで苦悩もない)。まぁでも恐らく消えていくことになるのでしょう。声で言えば、日本でもトーキーへと動き始めた時代、阪妻さんこと阪東妻三郎もハイトーンな声に悩んだそうで、結果自ら声を潰して時代に食らいついたんだそうです。役者魂とはこのことですよね、リナも見習ってほしいところです。

やはり、今作で言うとジーンケリーばかり目立ってしまうんですが、脇を固めるコメディアンのドナルドオコナーと故キャリーフィッシャーの母親で知られるデビーレイノルズも魅力的な個性を発揮しています。特にドナルドオコナーは、ソロのタップダンスシーンではコロッケばりのロボット顔いじりだったり、ハチャメチャに寝転んだり、ジーンケリーとのタップダンスでは息を合わせかっこよくこなしていてつい見とれましたね。あと、ジーンケリーとデビーレイノルズが初めて踊るシーンから、いかに「ララランド」が影響受けたかがわかりますよね。これ、ミュージカル映画を見れば見るほど「ララランド」の評価が変わってくるんですよ。少なくとも個人的にはそう思っています。
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