このレビューはネタバレを含みます
作中人物然り、見る人にとってもなんとも意地悪な映画。
言いたいことはわかりました。恐らく。
柵に囲われた羊と、家の窓から見下ろす猫の対比、ペットか家畜かの違い。
それはつまりヒトの文化の恩恵に預かるか否かの違いでもあり、アダとラストに登場する本当の父親との違いにも影響してくるわけです。
自分の子供を人間に搾取されるという痛切な描写も然り。
どちらが幸せか、なんて関係なく、全ては人間様のご都合主義。
そんな中で訪れる人類の発明による反乱。
そして悲運な結末。
と言っても何が悲しいのか。これは幸せなことか。本来の自然の摂理に立ち戻ったところで、私たちの頭は麻痺してしまっているから、悲劇に思えてしまう。
皮肉皮肉、とにかく皮肉。
アダのかわいいのに騙されて、本来の姿が見えなくなってしまった登場人物さながら、私たちも搾取していることを忘れてスクリーン越しに悦に浸っていることさえも皮肉。
とは言え、羊人間の衝撃ったらないよ。
あとノオミ・ラパスのおっぱいは蛇足。