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キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャンのnoteのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

高校生のフランク・W・アバグネイルは両親が離婚すると聞き、ショックで衝動的に家を飛び出す。そして生活のため偽造小切手の詐欺を始め、様々な職業人に成りすます。いつしかフランクは巨額の資金を手に入れていた。一方、小切手詐欺事件を捜査していたFBI捜査官カール・ハンラティは、徐々にフランクに迫っていく…。

1960年代に実在した天才少年詐欺師の「フランク・W・アバグネイル・Jr」の自伝小説「世界をだました男」をスピルバーグ監督が映画化したコメディの秀作。

「これが実話なのか?すごすぎる!」というのが素直な感想。

高校生が1人で街に飛び出し、生きるために詐欺をするのは決して褒められた行為ではないが、手口の巧妙さや・度胸・即興の演技力・頭の回転の速さは感動を覚えるレベル。
医師や弁護士になりすますために愚直に勉強する一面も。

やがて17歳の天才詐欺師は「金・女・名誉」みんなが欲しがるもの全てを手に入れる。
しかし、自分を偽る行為の連続の中で、本当の自分を知ってくれるものは誰もいないことを悟る。
孤独心を埋めようと結婚をしようとするが、結婚の直前に正体がばれて逃げるフランク。

彼には心を安堵させる居場所が1つもない。
心はまだ少年のフランクに「可哀想だな。」と思ってしまう。
若きディカプリオは、若さゆえの自信と傲慢さ、そして挫折の悲しみがよく似合う。

最終的にはフランクを捕まえたFBI捜査官のカールが、彼の良き理解者になって彼を更生させ、詐欺師を捕まえる立場にする。
ハリウッド1のいい人キャラ、トム・ハンクスも非情になりきれないFBI捜査官がよく似合う。

人が生きて行くためには、良き理解者がいることが大切なのだ、という教訓がコメディタッチのおかげで、説教臭くなくジンワリと心に染み込むのが良い。

感動で号泣するような映画ではない。
才能は使い方1つで「正義」にも「悪」にもなる運命のイタズラに「人は変わろうと思った時から変われる」と思わせてくれるので、悩める時の気分転換にちょうど良い。
出てくる人間はみんなコロっとフランクに騙される人の良い人間ばかりで、世の中捨てたモンじゃないなとも思わせる。
そして身近な家族や理解者を大切にしようと思わせてくれるハートフルな映画だ。
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