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セブン・イヤーズ・イン・チベットのSUIのレビュー・感想・評価

5.0
主人公であるハラー(ブラッド・ピット)と、前半は相棒ペーター(デヴィット・シューリン)との、後半はダライ・ラマとの友情の物語。
1939年、ハラーとペーターがエベレスト登山中にドイツがイギリスと開戦し、第二次世界大戦がはじまる。
オーストリア人のハラーとペーターは下山中、イギリス軍に拘束されてインドで捕虜にされる。
数度の逃亡を繰り返し、1942年にようやくチベットまでたどり着き、そこで終戦を迎える。
その後、今度は中国のチベット侵攻に遭遇する。
という波乱の人生を送っているハラーだったが、常に当事者ではなく彼はあくまで脇役だった。それはチベットで知り合った女性ラクパが選んだのが、ハラーではなくピーターだったことが如実に物語っている。

その脇役(傍観者)としての目が私たち映画鑑賞者との重なり、追体験的な感覚で当時のダライ・ラマを取り巻く世界をのぞき見ることができたように感じる。
史実に基づいているだけに歴史観的に興味深いし、友情の物語としても完成されていて実に見ごたえたっぷりだ。

ラストのピーターとの別れ(バター茶のくだり)は本当にいいシーンだと思う。
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