すずき

パラダイムのすずきのレビュー・感想・評価

パラダイム(1987年製作の映画)
3.5
キリスト教内でも秘密にされている地下教会。
そこには、かつて「悪魔」「サタン」と呼ばれた不定形のモノが眠っていた。
そのモノの目的は、反世界に存在する自身の父親=邪神を世界に降臨させる事。
善なる神=キリストはそれを人類に警告したが、当時の科学ではその存在を証明出来ないと考え、秘匿したのだ。
しかしその力が増しつつある現在、教会は大学の物理学・量子力学研究チームに解析を依頼する…
ジョン・カーペンター監督作の悪魔ホラー。

キリスト教ベースのオカルトホラーに、量子力学とかの物理学、そしてコズミックホラーをスパイス的に味付けした一品。
「キリストは実は○○○だったんだよ!」「な、なんだってーっ!!」とか、
「悪魔は反物質の世界から素粒子を操作して怪異を起こす」とか、
「タキオン粒子を利用して未来から人間の脳内に映像を届ける」とか、
「700万年前に地球に飛来した邪神」とか、
「キリストの残した預言書の写本」とか、そーゆー「ムー」が好きそうなトンデモ設定にワクワクする人は惹きつけられるモノはあるかも。
超自然的存在に科学的な裏付けを取るっていいよね、まあ娯楽映画だから理論はムチャクチャなんだけど。

前半は一般的には退屈な説明パートなんだろうけど、個人的にはそこが好き。
逆に後半はスケールダウンというか、教会内に立て籠もってなんやかんやゴダゴタする、いつものカーペンター監督作品だった。
せめてラスボスは派手なグチャドロモンスターとかにして欲しかったなー。コズミックホラー的な。
でもオチは好みよ。