ゆうすけ

イキガミのゆうすけのネタバレレビュー・内容・結末

イキガミ(2008年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

同名漫画原作の実写映画化。小学校入学時に受ける予防接種のワクチンのうち0.1%に入ったナノカプセルが作動することで、18歳〜24歳の間に殺されてしまう法律「国家繁栄維持法」が施行されている日本。この制度は、死を日常的に感じることによってGDPの増加、自殺者の減少を目的とした法律です。これに該当した者は、配達人から「イキガミ」と呼ばれる死亡通知書が届けられ、残りの24時間を自由に生きられるという配慮を受けられます。
本作の主人公は、その配達人です。

まず、この法律、無理ありすぎではないでしょうか?そもそも、本当に目的としている効果が望めるでしょうか?
この映画内で殺されてしまう若者は3人です。彼らは、いつイキガミが来てもおかしくない年齢だったわけですが、そこまで一生懸命生きていましたか?GDP上がるでしょうか?そもそも、いつ死ぬかわからないという意識を持って毎日生きていましたか?私にはそうは思えません。私たち現実の人々と大して変わらない日常生活を送っていましたよね。ということは、もうこの映画自体がこの法律設定の馬鹿らしさを表しているじゃないですか。

令和元年の新成人は122万人。彼らの0.1%が死ぬのですから、1220人が6年間で死ぬわけです。しかし、令和元年で亡くなった方(全年代)の総計は137万人。そのうち1220人の死が増えたところで、そこまで死を身近に感じられるでしょうか?命の大切さを学ぶでしょうか?

設定からして滅茶苦茶なのですが、構成も微妙。とにかく長い。3人のイキガミを貰った人物を短編集のように描くのですが、え3人目にそこまで内容が深まったという認識も生まれず、ただ長いだけ。
確かに御涙頂戴シーン(角膜移植など)は泣けますよ。ただ本当に長くて退屈なんです。
主人公の藤本が、何故イキガミ配達になったのかも語られず、最初から疑問を抱いてそうだったので、なんで入ってきたの?辞めたら?と思うしかない。

しかも議員の息子、もう銃は下ろしていたのに胸を撃つ警察無能すぎる。撃つとしても威嚇射撃、もしくは足。なぜもう構えていないのに撃つんだ?銃を突き付けながら、床に銃を置けと指示すれば応じただろうに。

設定や展開滅茶苦茶で、ずっと平坦な物語。
ゆうすけ

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