ゆうすけ

ウォンカとチョコレート工場のはじまりのゆうすけのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

“あの”『チャーリーとチョコレート工場』の前日譚と銘打たれていますが、実際は『夢のチョコレート工場』(1971)の前日譚。みんなが知ってる『チャーリーとチョコレート工場』(2005)だと勘違いさせて集客しようとする制作会社の悪魔的ミスリード。これは許せない。

1971年版は観ていないまま本作鑑賞。のちに観ましたが、それを観てから行った方が絶対楽しめるし評価も上がると思います。

前作を観ているからこその小ネタが満載です。
・自立する杖
本作でエレベーターに乗るウォンカが杖を直立に置きます。1971年版でも、工場からウォンカが出てくるシーンで、杖を自立させるシーンがあります。

・テーマソング
テーマソング「Pure Imagination」は、1971年版からの拝借

・ウンパルンパ
造形、ウンパルンパの曲が共通。1971年版ではウォンカがウンパルンパを呼ぶときに使う笛の音色は、本作のウンパルンパが吹くものと一緒。

・長い契約書
本作で騙されて泊まる宿屋で書かされた長い契約書。1971年版では逆にウォンカが長い契約書を子供達に書かせます。

・排水溝に落ちるコイン
ウォンカが冒頭でコインを上空に投げて排水溝に落ちてしまうシーンがありますが、1971年版ではチャーリーが排水溝からコインを拾って、そのお金でウォンカのチョコレートと買い金のチケットを当てる流れがあります。

・スラグワース
1971年版で、ウォンカがライバル会社のスラグワースの社長を装わせた部下を使って子供たちをテストしますが、本作では実際にスラグワースという人物が敵役として登場します。他のライバル会社プロドノーズ、フィクルグルーバーの名前も1971年版の中で看板や商品の中にでてきているようです。

・階段
1971年版でウォンカが階段を下っては一段上がる挙動をしますが、本作でも同様のシーンがあります

・言い間違い
本作で「口を開いて、耳を閉じて。違うね、逆にして」というセリフがありますが、1971年版では「時間はいっぱいあるのに、見るものがないんです。待った!今のは逆」というセリフが。

・食べられるカップ
食べられるカップの中のドリンクを飲み、そのままカップも食べるシーンが両方あります。

などなど。あげればキリがないですが、さまざまな小ネタ、オマージュがあるのです。

正直、観たいチャリチョコじゃない!という印象が強くて、あまり楽しめず。
「夢を見ることが禁止」というのも効いてこない。この文句はただのギャグ?予告でもわざわざそのシーンが切り抜かれてるから重要だと思ったら、特に罪に問われるようなことはない。

良くも悪くも子供向け映画だなという感じで、わかりやすいエンタメ映画。
けどみんなキャラ立ってて、若干『レ・ミゼラブル』(2012)感あって雰囲気は良き。
ゆうすけ

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