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嫌われ松子の一生のJINのレビュー・感想・評価

嫌われ松子の一生(2006年製作の映画)
4.3
いろんな人生あるけど、この松子に関しては「なんてバカな女なんだろう」っていうのが率直な感想。

以前観たドラマではやたらとやぼったく感じたものが、映画ではかなりコミカルに描かれていて、テンポも良く、ミュージカルのようで、音楽や映像も良くて、とても見やすかった。
これはもう中島哲也監督の力量!
この映画にも彼のテイストがおもいっきり出ていた。
とんでもなく不幸のどん底に落ちて行く話なのに、どことなくおかしく、でもやはり哀しくもありっていう感じで、見ている側まで不幸にされなくてすむような悲喜劇っていう印象。
演出そのものには笑えるところが多かった。
それに中谷美紀がすごく頑張ってたね。
かなりブッ飛んでた(笑)
他のキャスティングも面白い。

川尻松子を見て思ったのは、女性にはやっぱり「愛」が人生にとって最大のテーマなのかなあっていうことだろうか。
どんなに傷ついてボロボロになっても結局は愛を信じたくて生きていくっていう。
それでもこんな人生振り返ったら自分の人生何やったんやろう?って思わずにはいられないやろうね。

特に印象に残った言葉がある。

「人間の価値って人に何をしてもらったかってことじゃなく、何をしてあげたかってことだよ?」

川尻松子は何をしてあげられたんだろうか?
そしてこの自分はどうなんだろう?って思ったわけで。

松子の短絡的な浅はかさにどうしても感情移入できないところがあった。
都合よく利用されるんじゃなくて、ちゃんと愛されないと「幸せってなんだっけ?」ってなことになる。
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