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バットマン リターンズのろのレビュー・感想・評価

バットマン リターンズ(1992年製作の映画)
5.0

「クリスマスは毎年寂しく過ごした。薄暗い下水道で」

クリスマスツリーがきらめくゴッサムシティに突如姿を現したペンギン男(オズワルド)。
「地下暮らしはもう飽きた。日の当たる場所で暮らしたい」
「自分が誰なのか知りたい。両親を見つけて名前を聞きたい」と訴える彼の本当の目的とは・・・

地下水道に映る、捨てられた乳母車の影。
すでに死んでしまった両親への復讐心を、子どもを置き去りにしてパーティーを楽しむ親たちに向けるペンギンは、地獄の汽車で子どもたちを迎えに行く。

キャットウーマンとして蘇ったセリーナの部屋を照らす “HELL HERE(地獄はここよ)”のネオンライト。
今までの自分とまるで別人のようになってしまった彼女は、その変化に戸惑いながら、自分と同じように二面性を持つバットマンに惹かれていく。
そんな二人がヤドリギの木の下で互いの正体を知る、仮面舞踏会の場面がとてもロマンチックだった。みんな仮面をつけている中、二人だけが素顔のままで・・・

広場で野菜を投げつけられるカジモドのようなペンギン(オズワルド)。
改造した傘を武器に、バットマンや警官たちと闘ってきたオズワルドだけど、本当はすっぽり包み込んでくれるような、雨よりもっと怖いものを避けてくれる傘が彼には必要だったんだろうと切なくなる。
死んでしまった彼を水葬する小さなペンギンたちのたたずまいにグッときた。


( ..)φ

雪降るクリスマスの夜、サーカス団、家族のいないマイノリティ、そこへ流れるダニーエルフマンのファンタジックな音楽・・・
ウォーケンにダニーデヴィート、マイケルキートン・・・ティムバートン印てんこ盛りの今作はやっぱりおもしろかったし、冒頭から切なさMAXだった。

それにしても、アヒル隊長のボート(オズワルドの愛車)に乗せられたウォーケン兄貴がペンギンのくちばしにちょっかい出して噛まれそうになってるの、可愛すぎたよなぁ。ペンギンも戦闘モードでちゃっかりミサイル背負ってるし、可愛すぎて笑っちゃった。
ろ