簡単に言うと典型的な二重スパイ物の映画で、序盤はアンジェリーナ・ジョリーの文字どうり身体を張ったアクションや、謎が謎を呼ぶ展開で面白い。
しかしオチが微妙で 21世紀にもなってロシアの超人部隊や秘密機関的な存在が黒幕という、ある種の冷戦構造が生み出したフィクションを引きずっている話は、さすがにちょっとネタ的に古過ぎる感がある。
また敵の目的がイスラム圏に核ミサイル打ち込んでアメリカとイスラム圏が戦争することで、ロシアの再興を狙うというものなんだけど、この手口はチェチェンでロシアが既に使っているわけで、計画として筋が悪いし、イスラム教国に侵攻した過去のあるロシアに飛び火しない保証は無く、不確定要素が強すぎるので、スパイの極秘作戦としては完成度が低いから、続編を連想させるラストもカタルシスの弱いものになってしまっている。
結局見所はオープニングでのアンジェリーナ・ジョリーの拷問シーンだけでその後の印象は薄すめの映画になってしまっている。