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オーディションのdeenityのレビュー・感想・評価

オーディション(2000年製作の映画)
3.6
三池崇史監督のホラー作品。やっぱりこの年代くらいのジャパニーズホラーがいいですよね。じわじわ来る感じが何とも嫌な空気感が出て。『呪怨』っていう代表作もありますが、個人的にはこういう系統の方が好きです。

とは言え本作はじわじわ系ではありますが、結構芸術寄りの作品ではありますよね。なんていうか監督の嗜好を感じるような作品だった気がします。
具体的には終盤の展開ですよね。恐らく見ている人によって解釈は異なるだろうと思いますし、多様な解釈ができるような作りにもなっていたように思います。フラッシュバックで映していることが現実なのか、過去なのか、夢なのか。そういう曖昧さがどことなく芸術性を引き出しているように感じました。

とりあえず本作のインパクトの要は山崎を演じた椎名英姫さんの不気味な存在感ですよね。「きりきりきり〜」はもうただただ耳から離れませんが、そこまで狂気じみた言動もあり得るなと思わせるほどの空気感を作り出したのがさすがだと思います。
序盤のオーディション以降の場面ではやたら表情を映さず喋るシーンが撮られてた印象で、とにかく実態すらままならない演出が見事に後半効いてきたなと感じました。
彼女からの過去の経験を踏まえると、一応解釈としては愛情表現ということでいいんですかね。うーん、それすら曖昧というか、愛情表現とわかったとしても受け入れられないだけなのか。

まあそもそも結婚相手を偽のオーディションで釣り上げようという魂胆が招いた悲劇なので自業自得ではありますが、それにしてもあれはちょっと…ねえ…。
嫌な空気感という点では文句なしの作品ですが、二度と見たくない作品でもありました笑
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