柏エシディシ

オーディションの柏エシディシのレビュー・感想・評価

オーディション(2000年製作の映画)
4.0
好きなんだけど、怖すぎてあんまり観ないヤツ。
アマプラで見つけちゃったのでなんと無しに観た。……やっぱ、こぇー。
海外では「リング」と並んで日本のホラーamazing!を決定づけた名作として名高い一本(名著、死ぬまでに観たい映画1001本にも堂々ランクイン)
最近あんまり振り返られる事が少ないかなー。1999年作品。
"すけべ心を出した親父がイタい目に合う系ホラー"として割と定型の作劇なのでココFilmarksでも評価は高くない。
にべなるかな。
でもやっぱり、あの頃の日本の閉塞感を捉えたどこか独特の湿り気を湛えた画面は、今観てもやはり特別な格調をこの映画に与えていると思う。
「悪魔のいけにえ」のあのカラッとしたドライさ。
「エクソシスト」の身が凍るような冷気。
いつ、どこで観ても、感じる特別な空気を本作にも感じる。
独り部屋で項垂れた麻美の骨が生々しく浮かんだ首筋とか、痛覚で痙攣する青山の左手とか。ディテールが忘れられない。
ピアノ線、ギーコギーコ。キリキリキリ♪
薬を盛られて酩酊した見た悪夢か妄想か。判別がつかない終盤も分かり易い解釈を放棄させて恐ろしさが、また増す。
柏エシディシ

柏エシディシ