みかん

羊たちの沈黙のみかんのレビュー・感想・評価

羊たちの沈黙(1990年製作の映画)
3.5
サイコスリラーの金字塔。
あまり見ないジャンルですが、あまりにも有名タイトルなのでやっぱ一度は見てみなきゃかなと!
見たことない作品なのに、ジャケットの印象が強烈に頭に残る。

ショッキングなシーンが多く、歪んだ癖を持っている犯人とレクター博士の異常性の描写が見ているこちらの精神を削ってくる。
土曜の昼間に見る映画じゃなかった。
アイス食べながら呑気に見始めてちょっと後悔した。

クラリスは連続殺人犯の情報を引き出すために拘束中のレクター博士に交渉を持ちかける。
レクター博士は元々精神科医であり、クラリスのカウンセリングをしているかのように彼女の精神を揺るがし追い詰めていく。このやりとりが非常に怖いし、気持ちが悪い。ねっとりじっとり。
こちらを見つめてくる瞬きしない眼光の鋭さに、彼の問いに答えることが最善かのような錯覚にさせられる。
レクター博士は最初に目があった瞬間から、クラリスの抱えるトラウマを見抜いていたんかな。

博士が脱走したときの緊迫感とかやばかった。
救急車のシーンは全然気づかんくて、被害者助けるシーンをいやに強調するなって思ってたら。。。いやー怖い。
あと、虫はムリ過ぎて薄目にしてた。

最後まで展開読めなくて、ドキドキしっぱなしでした。

クラリスにとって"羊"は助けられなかった被害者で、レクター博士は彼女の中で響き続ける悲鳴を止めさせたてあげたかった。ただ、それだけだったのかもな。
博士も歪んだ異常性に目覚めるきっかけの苦しみが幼少期にあったのかも。
だからクラリスに何か共感するものがあったのかもな。
クラリスを気に入った理由は劇中語られないが、色々想像しちゃいました。

博士はクラリスのようにお気に入りの人間は殺さないんじゃないかな。
純粋で誠実な優しさを持つような人間は殺さない気がする。
クラリスを侮辱したお隣の牢の囚人を殺したりする一方で、電気付けてくれた看守?の人にはお礼言ったりしてたし。
チルトンさんは博士のディナーになりそうだったしな。

そんな悪魔と取引をしたクラリスは、その情報をもとに連続殺人犯を追い詰めていく。
この犯人と対峙するシーンからの流れが怖すぎて、クラリスの怯えがすごく伝わってきて、 私の緊張がピークに達した。
フーッって深く息をはいた。

大好きって言うには重くてしんどい作品。でも、見て良かったです!
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