LalaーMukuーMerry

ある子供のLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

ある子供(2005年製作の映画)
4.1
ダルデンヌ兄弟監督作品、鑑賞第3弾。BGM全くなしの地味~な印象なれど、当事者目線のドキュメンタリータッチの描写で、グイグイ惹き込ませる力は「少年と自転車」「息子のまなざし」と同様に流石。これも問題作品だった。
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父親になったばかりのどうしようもなくクズな若い男と、その相手の赤ちゃんを産んだばかりの若い女性の話。仕事にもつかず、非行少年を使ってひったくりをさせ、稼いだわずかの金で暮らす危うい生活。それでも仲の良いバカップルの二人だったが、親になったという自覚は男と女では全然違う。クズ男は勝手に赤ん坊をどこかの金持ちに売ってしまって、彼女はブチ切れ、言葉も交わさなくなってしまう。なんとか赤ん坊を取り戻した彼だったが、彼女の態度は元に戻らない・・・
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当事者目線と言っても、これはねぇ、何やってんだ!って感じ、全く共感できず。こんな逆お手本を観客に見せる意味はあるんやろか? と思ってしまう。
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義理を通そうとする良いところもクズ男くんにはあるようだし、ラストは彼女も彼とよりを戻して更生できるのかも?と思える感じなのだけど、ホントに大丈夫?とも思いました。
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生物的には父になったのに全く自覚のないこういう少年がなぜ生まれるのだろう? 彼を捨てて暮らす母親がチラッとでてきたが・・・、(どういう過去があったのか想像するしかないのだけれど)ため息しか出なかった。