LalaーMukuーMerry

ワイルド・ブラック/少年の黒い馬のLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

4.5
大好きな「グース」の監督キャロル・バラードの作品は、生き物(動物)が主役の映画ばかりということを最近知った。

「ワイルド・ブラック」(1979)馬
「ネバークライ・ウルフ」(1983)狼
「グース」(1996)ガン
「ドゥーマ」(2005)チーター

俄然見たくなり、手始めに馬から。結果、大正解! 野生の黒馬と少年とのつながりを描いた、とても印象的な映画でした。
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アレキサンダー王とその愛馬ブケパロスの伝説がモチーフとなってます。豪華客船が難破、馬と少年が無人島に流される。島で少年と馬が、時間をかけて次第に仲良くなっていく。
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ある日、島に人がやってきて少年と馬は助けられ、アメリカの家に戻る。
でも馬は住宅街では飼えない。馬は勝手に庭を抜け出して広い農場に逃げていく。その農場の主は、競争馬の元名調教師だった。ブラック(馬の名)の足の速さに気づいた彼は、少年をジョッキーにして競馬レースに挑戦しようとするが・・・
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こうして、ストーリーをざっと書いて、冷静に思い返すと、ちょっとありえない出来すぎのストーリーなのですが、無駄なく編集されていて要らぬ疑問が生じないようになってるし、映像が美しく、何より馬の演技?がとても印象的で見事でした。いいものを見たなって感覚で終われます。
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わたし的に印象に残ったのは、少年との距離を縮めてくる野生馬の様子のロングカットが素晴らしかったこと。 もう一つは、鞍も手綱もない野生馬の背にどうやって少年は乗るのだろう?という疑問に見事にこたえてくれたシーンでした。(人類の歴史上、初めて馬に乗った人はどうやって乗ったのだろう?という永遠の謎に対する正しい答えなのかというと、疑問は残りますが・・・)