広島カップ

キッドの広島カップのレビュー・感想・評価

キッド(1921年製作の映画)
5.0
冒頭に、
A picture with a smile and perhaps, a tear.
-ほほえましくたぶん一粒の涙をそそる物語-

親が子供を育てる。
大人が小児を育てる。
普通だけれど難しくてでも幸せを感じるもの。
そうした人間の根源的な部分に真正面から触れている作品。

たった50分で大笑いさせ大泣きさせ誰にも解り易くこのテーマを伝える神技。こんな作品他にありますか?

一方でただ笑って泣いて世の中の嫌な事を忘れて下さい。それも映画の使命であり役割で、それを自然にやってのけるチャップリンの傑作です。

中学生の時に観て泣き、家庭と子供を持ってから観てまた泣いている。
若い時には後半しかウルウル来ませんでしたが、この間観たら最初の方からずっと泣いてしまい参りました。

今の日本の代表的なキッドといえば"チコちゃん"ですが彼女に叱られる番組をボゥっと観ていたら「歳を取ると涙脆くなるのは何故?」という正しくボゥっと生きてる私には解らない問題がありました。
答えは色々な経験を積んで共感力が上がるからというのと、前頭葉の持つ感情を抑える力が落ちるからというものでした。
経験を積んでという辺りは嬉しいのですが、前頭葉の力が落ちてという辺りはどうも... 大好きな作品を通して自分の"脳"力の低下を突きつけられるのは勘弁して欲しいと思いました。

no.1700
広島カップ

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