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エヴリンのTnTのネタバレレビュー・内容・結末

エヴリン(2002年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

 憲法の歪さ、政教分離のなされてない国家、家族とは一体どう定義するのか。たった一つの事例が、これらアイルランドにあった根強い保守的態度を変容させる。そのたった一つの事例っていうのは、父が娘を愛するという当然の考えによるところが、胸にくる。エヴリンを取り戻す父は、憲法から国家まで巻き添えにしていく。そこまでして信念を貫く姿もカッコ良い。

 にしても、「ローズの秘密の頁」もそうだが、アイルランドは子供を親元から離すというのがかなり当たり前に行われていた国だったんだなぁと。また男女の役割を明文化してはっきり分け隔ていたことも。どこか保守的な国に見受けられるのはこれらが要因に思える。そうは言いつつも、アイルランド映画には酒場での乱闘シーンが付き物というのわかり、ただ保守的なだけでなくそこには暴力もよく入ってくることがわかった。しかも、どうやらひとつの風物詩のように酒場乱闘は陽気に描かれている笑。
 
 裁判が覆るエヴリンの声明、祈り。本来なら守るのが大人の義務のはずなのに、この少女はそんな大人も包摂して裁判の行方が良き方向に向くのを祈るのだ。ふとその純真な目にさらされて、大人社会は逐一変わっていかねばならない。
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