あなぐらむ

女王蜂と大学の竜のあなぐらむのレビュー・感想・評価

女王蜂と大学の竜(1960年製作の映画)
3.8
すき家の丼みたいな闇鍋映画。質さえ問わなきゃ何でもある。
戦後の東京湾岸地区の闇市を舞台にした、任侠、祭、スケバン、ガンアクションにラブコメまでをぶち込んだ物語は、やがてこれが戦勝国となった三国人を相手にした、日本の仮想の本土決戦である事が明らかになる。

謎タイトルは開巻すぐに明らかになる。なるほどね。
軽妙な口調の吉田輝雄の行く所事件あり、このラバウル帰りの特攻さんがこの物語の主人公である事が分かっていく仕掛け。三原葉子とアラカンの父娘のパンチは強く、天知茂がちょい役なのはご愛嬌。万里昌代のキュートなワンピース姿、扇町京子のブァンプぶりにも大満足。

クライマックスの女神輿バトル(ストリップ好きは必見)からのアラカン立ち往生、そして新川市街戦まで、見応えたっぷり。
ウェストサイド物語風のテイストも含め、石井輝男のサービス精神と反骨な魂がタイトにまとまった一本。