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ガメラ2 レギオン襲来のHKのレビュー・感想・評価

ガメラ2 レギオン襲来(1996年製作の映画)
3.8
久々に『1』を劇場で見たら本作を観ずにはいられなくなって後日アマプラ鑑賞。
大ヒットした前作の翌年公開ですが、製作費も特撮レベルも自衛隊の協力も大幅にアップ。
『2』が『1』よりさらに面白くなった貴重な作品のひとつです。

続編だけあって、ガメラ初登場シーンの自衛隊員の「ガメラ確認!」というセリフで、ガメラがいる現代という世界感が既に確立されているのを感じます。
もはや子供向け怪獣プロレスとは次元が違い、大人が観ても十分面白くよくできた現代が舞台のSFパニック作品です(でも子供が見てもちゃんと楽しめます)。

前回は九州でしたが本作はガメラの吐く息も白い雪の北海道からスタート。
『1』のガメラは頭も目玉も大きくちょっと可愛いらしい印象でしたが『2』では頭も目も小さくなり、より生物的かつシャープな顔つきになりました。

対するレギオンは銀色の宇宙昆虫(?)。
群れをなして飛ぶ様子はイナゴか2代目バルタン星人か。
養老孟子先生による解剖シーンもあります(セリフは「なるほど!」の一言)。
1体だけの巨大レギオンは『エイリアン』の“フェイスハガー” にザリガニの頭をつけたようなデザインで同時に昭和ガメラの敵怪獣“バイラス”や“ジグラ”のようなテイストも感じられます。

レギオンと共生する巨大植物はまるで『ウルトラQ』の“マンモスフラワー” 。
前作のギャオスのときもそうでしたが、出現する怪獣の数や大きさの対比にも金子監督のこだわりが見て取れます。

見慣れたニュース番組のインサートによる日常感と本物の自衛隊によるリアリティある演出がやはり秀逸。怪獣の出現は大法螺でもそれに反応する社会や自衛隊の描き方でここまでリアルに物語を描けることを証明しました。

前回にも増して実在・実物の兵器が多数登場してミリタリーマニアにも垂涎モノらしく、本作と前作が有川浩の小説“自衛隊三部作”に多大な影響を与えたことも知られています。

今はもうかなりいい年の役者さんたちがみんな若く、あらためて自分の歳を痛感。
主役の水野美紀も吹越満も、地下鉄運転手の田口トモロヲもみんな若いな~。
永島敏行は実は昔からあまり好きじゃないんですが本作では適役。
藤谷文子、蛍雪次郎、長谷川初範、渡辺裕之らは前作と同じ役で続投。

『3』はイマイチだった記憶がありますが、こうなったらこの機会に再確認しておくことにします。
(おっと、ここにきて『2』も3月にドルビー限定上映が決定という記事発見!)
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