ぶちょおファンク

パーフェクト・センスのぶちょおファンクのネタバレレビュー・内容・結末

パーフェクト・センス(2011年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

序盤★2.5 中盤★3.5 終盤★3.5

良い点
◯“感覚と想い出”の関係性のセリフ。
◯中盤でのイカれた描写、常軌を逸した行動には驚いた…!!!

気になる点
●良くも悪くも“危機感”の煽りも展開も早いので“嵐の前の静けさ”が少ない。

☆総評
コロナ禍以前に撮られその内容から注目を浴びた映画、S.ソダーバーグ監督作『コンテイジョン』はウイルスによるパンデミックでしたが、こちらはウイルス性ではなく原因不明で感染というより伝播する“症状”が世界中の人々を襲い徐々に“感覚”を失って行く、S.キングやM.ナイト・シャマラン的な作風。

普段映画を観てる時は“自分が脚本家や監督ならこうするな…?”
というのが浮かんだりしてそれが作品の評価につながりますが、今作に関してはただただ興味深くその顛末を楽しみました。
あえて言うならラストのモノローグが余計で、あそこはスパッと“暗転”で終わり余韻を味わいたかった…!
(当然最後に残った“触覚”もいずれは失われるだろうがそこまでは描いていないので中途半端と捉えられるきらいはあり、そこも含めて観客に“考えさせる”余白が必要)

不慮の事故死や突然死等でもない限り“死”は五感が徐々に失われて行くのだと思え、それは今作で描かれた症状でもあり、“生(人生)と死(喪失)”をテーマとし、そこに“終末”の絶望感や“続く人生の未来”への希望も盛り込んだラヴストーリーの意欲作として、世界的パンデミックを引き起こしているコロナ禍の今観た映画としても高く評価したい。


2021年250本目(+短編15本)