CM撮影で来日したアメリカ人俳優（ビル・マーレイ）、不思議の国Japanで大いに戸惑う。同じように不思議の国Japanに戸惑い孤独を感じていたアメリカ人カメラマンの妻（スカーレット・ヨハンソン）。夜の東京で出会う二人、旅先での大人のロマンス。軽～いタッチのどうってことないお話。
＊
主題は実は、不思議の国Japan。
＊
この作品は2003年だから、日本人にクールジャパンの意識が芽生える前の頃。日本は古い歴史と固有の文化・優れた社会を持つのだから、日本人はもっと自信と誇りを持ってよいという、今に続く考えに、私が明瞭に接したのは「国家の品格」(2005)を書いた藤原正彦氏のラジオトークが最初で、結構感銘を受けたのを覚えている。
＊
そして2006年にNHKのクールジャパンの放送が始まった。西洋人にとって日本は、第1印象は不思議の国、少し掘り下げると不思議の国からクールジャパンに変わっていく。あの番組で日本人はかなり自信を取り戻したのではないかな、などと勝手に感じている。
＊
だけどこの頃は、どうだ日本は凄いだろうという、傲りのようなものを感じるようになって、ちょっと気になっている。日本人の美徳の一つ、奥ゆかしさもお忘れなく…
