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切腹のzhenli13のレビュー・感想・評価

切腹(1962年製作の映画)
4.5
見事。ほとんど会話劇で、長々と続く一人語りや台詞の応酬でも緊張の糸がずっと保たれていく。撮影、脚本、音楽、編集、演出、役者、すべてを合致させる巧さがみてとれ、初めて時代劇を取り回した小林正樹の気合いが漲っている。この重厚な会話劇は、いまの役者では成立しないのでは。
殺陣シーンは終盤のみで、多勢に対して一人で抵抗し続ける仲代達也の姿と並行し、端座する三国連太郎によって揉み消され沙汰無しとされる巨悪の手早さ。いつの時代にも思い当たる普遍性。
竹光で腹を割けるのか…
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