和桜

水の中のナイフの和桜のレビュー・感想・評価

水の中のナイフ(1962年製作の映画)
3.7
倦怠期の夫婦とたまたま出会った若者がボートの上で休暇を過ごす。90分近くそれを見せられているだけなのに全く飽きない。水上という閉鎖空間で次に何が起こるのかという緊張感、白黒で映し出される水面の美しさ。長編デビュー作としてあまりに完成されているポランスキー監督。

先輩風を吹かせたい夫と歩くために歩くんだとか言ってる若者。落ち着いてるのか諦めているのかよく分からない妻。何がしたいのかよく分からない登場人物達とも言えるけど、この人物達の間にナイフがポツンと置かれることで目が離せないシチュエーションが生まれる。
正直こんな話にどんな結末を用意するんだろうと思っていたら、綺麗にまとめてしまってここが一番凄いよ。水面を走るシーンが好きだったな。
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